スタートアップ界のゴッドファーザー、Steve Blankが6年ぶりに来日してセミナーが開かれるとのことで、駆けつけました!

Steve Blank来日記念セミナー - Steve Blank | Doorkeeper

スタートアップのゴッドファーザーSteveBlank 6年ぶりに来日

東京の大手町で開かれたガチのセミナーなので、そびえ立つビル群にスーツでかためた人々。普段の渋谷でのIT勉強会のノリで、ジーパンTシャツできて完全に浮いてるのが私でした。

Udacityの動画で事前に予習していたのですが、動画で見たままのそのままのSteve Blankさんがいました。講演中、シャツが飛び出ていたところとか、結構気さくな方ですね。

まずはじめに、主催の堤さんからリーンスタートアップの紹介。

  • Customer Development(顧客開発モデル)
  • Business Model Canvas(ビジネスモデルキャンパス)
  • Agile Development(アジャイル開発)

の3つが融合したものがリーンスタートアップであり、その教育プログラムがリーンローンチパッドというもの。

しかし、今日はその先の話だ。リーンスタートアップのその先へ。

  • Innovation Pipeline(大企業におけるリーンスタートアップ)
  • I-Corps(研究開発のリーンスタートアップ)
  • Hack for X(社会問題のリーンスタートアップ)

この3つについてが今回の議題だ。

Innovation Pipeline

まずはじめに、大企業の新規事業開発におけるリーンスタートアップの適用モデルとして、Innovation Pipelineというものが紹介される。

ネット上にもほとんど情報がないところをみると、まだ出たばかりなのたな?

Requires a disciplined, evidence-based, data-driven, process for connecting innovation activities into an accountable system that rapidly delivers solutions to hard problems

以下の6ステップからなる

  • Sourcing
  • Problem Curation
  • Prioritization
  • Exploration Testing
  • Incubation
  • Integration Enginnering

詳細は面倒なので書かないが、成功事例が集まればそのうち本が出版されるのかな?

チームが大切。Innovator と Entrepreneurのパートナーが大事。Innovatorは、発明する人、Entrepreneurはそれを市場に届ける人。connectionがないと、イノベーションが起きない。Lean/MVP では、そこから発展しない。Finance, Contracts, Procurement, HR, Legal, Security …. みんなつながってこそイノベーションが起きる。

Exploration Testingは、科学の仮説検証(Hypothesis Testing)から来ている。面白いと思ったのは、

Get out of the building!

という生Steveさんからのありがたいお言葉をきけたのだが、PMFに達したら、大企業は Get inside of the building! をしなさいとのこと!!つまり、外に出てビジネスモデルを完成させたら、グロースのために社内のつながりをつくり、政治的に勝たないといけないらしい。

I-Corps

研究開発にリーンスタートアップを適用する試み。

こちらは、いろいろと情報がありそう。

they are innovator, not entrepreneur.

研究開発者は、起業家ではない。市場で成功するためには、研究者も起業家の知識を見につけることが必要。スティーブさんは、スタンフォードのエンジニアの生徒にリーンメソッドを教えた。

Hack for X

社会課題、とくに Government Mission Problemにリーンメソッドを適用する取り組み。以下は国防とリーンスタートアップ。

他にも、民主主義、エネルギー、地方問題、歴史などなど・・・。リーンメソッドは、なにもビジネスだけのものではなくて、社会問題にも十分有効ということが、数々の事例で紹介される。

しかし、社会問題はなかなかお金にはならない。そのため、Revenueではなくて、Missionをビジネスモデルキャンパスに盛り込む。これを、Mission Model Canvasという。

社会問題にリーンスタートアップを適用する試みは、Ann Mei Changという人も本を書いている。

おわりに

最初は、ミーハー的なノリで、スティーブ・ブランクさんに逢いたくて参加した。セミナーでは、リーンスタートアップの様々な可能性を知れた。とても満足した。サインも握手もできなかったけど・・・。終わりの言葉で、心温まるコメントを紹介。

スティーブ・ブランクさんが、まだ若き起業家(1980年代)は、日本のCorporate Companyは脅威だった。この30年でアメリカと日本の立場は逆転し、シリコンバレーを中心にリーンスタートアップが発達した。しかし、今日参加されているみなさんは、これからリーンスタートアップで日本企業の復活を目指してください。ここから、みんなでがんばりましょう!

以上