📍はじめに: これからのFuturismoブログのあり方を考える

もともと, ライフハックの雑記ブログとして立ち上げたのがこのブログの始まりだった. 他にもグルメブログや音楽批評ブログやオシャレブログ?などの雑多なブログをWordPressで乱立した. やがて技術ブログとして特化しつつ生き残りつつ廃れつつ, 12年継続してきた.

ChatGPTの出現によって, 2023年のはじめから世間がざわついている. Google検索の時代が変わろうとしている. ブログの記事すらおそらく自動生成することも可能だろう. ブログのあり方を変えるゲームチェンジャーだ. しかし, 脅威はそれが思考を深めるきっかけになる. 黒船によって日本が文明開化したように, 脅威を力にして次のステージに進もう. このFuturismoブログも, 時代に先駆けて変革していこうと思う.

さらに, わたしは最近このブログの今後の使い方について迷っている. このブログは技術ブログから技術系を薄めて, 再度ライフハックブログに戻していこうとしている.

さらに, 一年前から日頃のメモのアウトプットをブログからWikiとZettelkastenに以降したらこれがかなりわたしにハマっている1.

さらに, 2年前に一度Futurismoブログがいったん閉鎖?して復活し, それをきっかけに自分の過去記事を見直したところ, 必要なものと不要なものが浮き彫りになった2

このあたりのインサイトをまるっとまとめて, 今後のFuturismoブログのあり方をどうするべきか? というイシューを考えてみる.

💡Futurismoブログの今までの記事の課題

Futurismoブログの記事は勉強した内容を吐き出す技術メモが大半であった. しかしこの方向性を変えなきゃなとおもったきっかけを書いていく.

ChatGPTの出現によって調べてみた/まとめ系アウトプットはゴミクズになる

まず, 考えるきっかけとなったのが, ChatGPT. これはGoogle検索を置き換える可能性が高い. なにかを調べる時, キーワードで検索してひっかかったブログ記事を上から5つくらい開いて中をみていくが, これからはもうChatGPTの生成したものを参考にしていくだろう. さらに驚異的なのは, 調べてみたとか, まとめてみた系のブログ記事生成などは誰よりもうまくこなすことができる. これはどういうことか?

よく, エリートサラリーマン界隈でアウトプットが大事という言葉が飛び交い, インプットしたらアウトプットしましょうというのが交通標語のように叫ばれていて痛々しい. なにか, 書籍を読んだらブログ記事に要約しないとだめのやつというような強迫観念すら感じる. エンジニアは勉強しましょうということで, 駆け出しエンジニアは学んだことをQiitaにアウトプットしましょう, 最新技術にキャッチアップするために, 業務時間後もプライベートを犠牲にして技術書を読みブログにまとめよう, など.

しかし, それらのアウトプットは, 今まで以上に他人に見られなくなるだろう. なぜならば, 調べてみたことやまとめてみたことは, AIのほうが優秀でありわかりやすいのだから.

もちろん, 自己満足で学んだことをアウトプットすることは素晴らしい. なぜならば, 他人に教えるつもりでインプットしたほうが記憶に残りやすい. しかし, 今までよりそのアウトプットの価値はなくなる, ということ. 従来型のアウトプットが悪いわけではないが, わたしは別の方向へ向ってみようか, という悩み.

サイトを潰して再復活させたら価値ある記事はハッキングのワクワクした思い出日記だった

Futurismoブログは数年前に一度アクセスできなくなった. GatsbyJSで自作ブログしたけど, 放置してたら動かなくなって, さらにUberEats配達に夢中になりすぎたら自分で自分のブログをメンテナンスできなくなったので. 結局GatsbyJSからHugoに戻して復活. さらに, 今まで書いた記事を部分的に修正した. 画像やリンク切れ, タグやカテゴリなどなど.

その過程で, 今までの記事をざっと全部見直したのだが, ほとんどが価値のない情報になった.

ニッチな技術を触ってみました系は, ほとんど時代遅れで使えない情報になった. トラブルシューティングのハマった系もほとんど無価値の情報になった.

しかし, 8割の死んだ記事のなかで, 未だ生き残っている記事は, 過去にはてぶでバズった記事や, 風化の少ない技術. しかし, そのようなニッチすぎる記事も, わたしの興味がそこになければあまり価値がないのかもしれない.

じゃあ, なにが価値ある記事なのかというと, それは個人的な思い出や記憶に結びついたポエムだった. この1割程度の記事が, 私にとって宝石のような価値ある記事となっている.

ワクワクするハッキングの思い出, これこそがこのブログに残すべきものだと確信した. それはGoogleが興味がなくても, 他人がクズだとと思う記事でも, わたしにとって価値のある記事だ. この発見は, 嬉しかった.

勉強したことアウトプットはWikiのほうがブログよりも知識の深堀りができる

かつて, このFuturismoブログはたんなるその日に勉強したことを技術メモを吐き出すための場所だった. あまり質に拘らずにガンガン記事を書いた. 最盛期はJavaの勉強をしているときで, ニッチな内容だからか, 未だにアクセスはある.

しかし最近は, 日々のインプットのまとめ先して, Wikiをヘビー活用している. これは私にとってのゲームチェンジャー的な存在となっている. そして, Wikiがある今, わざわざ調べた知識をブログ記事にまとめようとはなかなか思わなくなった.

ブログへのアウトプットの悪いところは, 一度記事を書いたらなかなか更新しないことだ. 逆にWikiへのアウトプットだと, なんどもなんども記事を更新する. 1日に30ページくらい更新することもザラだ. さらに, ひとつのトピックと別のトピックをつなげることも難しい. さらにそのトピックに関する自分の考えをつけたすことも難しい. ブログ記事とはその日のインプットや思考のスナップショットとしての役割はあるが, 継続的なUpdateが難しい.

そのときの思い出を綴るものがブログ形式であり, 知識を蓄積してまとめていくものがWikiであり, わたしは不自由な乗り物で今まで知識をまとめていたことに気づいてしまった. 3

⚖ChatGPT vs 人類の思考力

今後の可能性を考えるために, ひとつ視点をChatGPTに移し, ChatGPTに人類とわたしが勝利するにはどうすればいいのか考えてみる.

🔨思考法の切り口から論点分解

論点の切り口として, 思考法の分類を分解の型に利用する.

ChatGTPに勝てないこと

  • 仮説思考: 試行回数を上げて高速に学習することは勝てない(ex. チェス).
  • 抽象化思考: 概念の共通性質を抜き出して提示することは勝てない.
  • 論理的思考: ロジカルシンキング, 論理を活かす仕事は勝てない.
  • 手続き的作業: 事務的な作業, 正確性を求められる仕事は勝てない.

ChatGPTに勝てること

  • 論点思考: 問いを立てることは勝てる.
  • 批判的思考: 物事をうがった方向から見ること.
  • 概念化思考: 新しい言葉を定義すること.
  • アナロジー思考: 基礎のパターンを別の領域へ応用すること.
  • 創造的思考: 感性を活かす仕事. 身体性を活かす仕事. アイデア発想, 創造的な作業.

💡ChatGPTに勝てる領域はハッキング

ChatGPTに勝てるポイントは, 概念を定義したり応用したりする領域. ここはどちらかというと人文学の領域であり, このブログの領域ではない. 実は別の哲学系ブログを立ち上げようと計画している.

じゃあ残されたところは, 創造的な領域だ. そしてそれは, ハッキングと言い換えていいのでは? リチャード・ストールマンは, 「ハッキングとは知性のある遊び心」4といった. 大事なのは, プレイフルネスだったり, クリティカルであったりする. 相性がいい.

🎨ブログアウトプットパターン

さて, 次にこのブログの記事のパターンをなんとなく分類してみる. これは一般的な技術ブログにも当てはまるかもしれない.

調べてみた系

  • xxを読んだ感想.
  • xxについて調べてみた.
  • xx についてまとめてみた.

やってみた系

  • xxにハマった. トラブルシューティング.
  • xxをやってみた.
  • xxを触ってみた, 遊んでみた.
  • xxをハックしてみた.
  • xx を作ってみた.
  • xx を分析してみた.

💡ChatGPTによって駆逐されるは調べてみた系で残るのはやってみた系

ChatGPTによって駆逐される, そしてわたしの現在のブログ記事の半分以上を占めるのが, 勉強のアウトプット, 調べてみた系だ. 触ってみた系の入門チュートリアルも調べてみた系に過ぎないかもしれない. これらは, ChatGPTにとって価値もなく, 自分にとって価値もない. ゴミクズだ. 一方, やってみた系は, 調べてみた系に対して自分の体験が混じっており, 自分の生み出した情報として価値がある.

この調べてみた/やってみたの関係を別の言葉で表現するならば, 一次情報と二次情報, そして一次情報の獲得が仮説検証.

✅今後の方針: 仮説検証とワクワクの思い出をアウトプットする

以上を元に, 今後のFuturismoの記事執筆の方針は以下の通り.

調べてみた系やまとめてみた系はWikiに書く

学んだことを調べてみたまとめてみたというのは自分の記憶にはいいかもしれない. それ系の記事はたくさんある. しかし, わたしは別の方向へいく. 否定しているわけではない. 過去の私も調べてみた系だったので.

わたしはよりベターなWikiへのアウトプットという方法を発見した, そしてそれは従来のブログ記事よりも圧倒的に知識の蒸留ができている気がする. 今までの時系列スナップショット的な知識は, 知識と知識の繋がりをメンテナンスすることがとてもむずかしい. 5年前に学んだこと, 10年前に学んだこと, 昨日学んだこと, 明日学ぶこと, 全て結びつけるにはブログはできるかもしれないが, Wikiがベター.

ただし, 二次情報にそのとき感じた感想をつけると, それは思い出となり一次情報に昇格する. 臨機応変に対応.

一時情報の仮説検証の結果を書く

調べてみた, まとめてみたはWikiにまとめる. 二次情報は書かない. そして方針として注力するのは, 仮説検証だ. 経験による一次情報を記録する.

仮説検証というと, なにやら難しそうだ, 自分にはできないよ, 苦手だ… という想いがけっこう強い. しかし, 仮説検証とはブログ記事を書くこととリフレーミングしてみる.

  • やってみた
  • 試してみた
  • 分析してみた
  • つくってみた

これらのタイトルがマイクロ仮説検証となる. タイトルやはじめにで仮説を提示して本文で検証. まとめや考察が重要. もっとラフに考えよう. 仮説検証サイクルをまわすとは, いわゆるブログ駆動開発, アウトプット駆動開発と捉え直す.

成功は仮説検証の数で決まる. 失敗は成功の母. 失敗したって, それを記事にしてもいいんだ. なぜならば, それは仮説が否定されたという情報であるが, ChatGPTはそれができないところに価値がある.

ワクワクしたハッキングの思い出やポエムを書く

そして, ポエムやワクワクした個人的感情こそ, わたしにとって最も価値のある記録である. それはChatGPTに代替することはできない. これを貯める. これが最重要である.

やってみたことは積極的に動画に残してもいいかもしれない. ブログというとテキストという制限はハッキングで突破するべき対象だ. vlogのような, v技術ブログがあっても面白い. そして, このFutursimoも10年前からYoutubeチャンネルに動画を投稿してちょくちょくは投稿していたが, 閉鎖してしまった. 再検討する. メディアをどうやって活用していくか. どうすればワクワクするか.

ツェッテルカステンのようなマイクロ仮説検証メモシステムを試す

インサイトのメモを元に人文学の記事を量産するシステムがツェッテルカステンだとすると, その類推で実験による仮説検証プラットホームも欲しい. これを実験的に作ってみようと思う. 日常における実験と仮説検証, ライフハックの追及, 研究ラボの立ち上げ. そしてそこで量産された研究結果のアウトプットをFuturismoにする.

ブログにしてもYoutubeにしても, 勉強した内容をまとめてわかりやすく解説というのが非常に多い. それはコスパがよいのだ. しかしそういうものが溢れた結果, それらはわたしには魅力的ではない. ほしいのはそれに対するその人考えてみただったり, やってみたという内容だ. それを生み出すには蒸留が必要, Zettelkastenの言葉を借りるとDistill, 蒸留となる. じっくりアイデアをろ過して濃縮して抽出するという意味.

Zettelkastenは人文学のための手法だった. 科学的手法にたいするZettelkastenも欲しい. 実験メモのDistillが必要だ. Zettelkastenのように小さな仮説検証メモをためていき, それをじっくりDistillした上で, Futurismoの記事のネタとしてOutputする. マイクロ仮説検証メモのツェッテルカステンをつくってみたい. これはアイデアでありまだ構想中.

技術ブログから離れて広くライフハックブログとする

これは前から掲げている目標なのだが, イマイチできてない. ハッカーマインドを生活の全方向に向けていきたい. それこそが, ライフハックだ. 原点回帰したい.

自分の文体やレトリックを磨く

ChatGPTが生成するような, 誰にでもわかりやすい, あたり触りのない個性のない文体をやめる. ときにはAIが書かないような下品なえろい表現も辞さない. このクソうんぴっぴコードがぁぁ!!!


  1. 知的生産基盤Keido(keido.site)のドメインを取得しました | Futurismo ↩︎

  2. Futurismoブログ復活しました(4回目) ~ Hugo again | Futurismo ↩︎

  3. 🖊知的生産のキラーアプリOrg-roamを1年使い倒し学ぶとはなにか考えたポエム(2022) | Futurismo ↩︎

  4. https://next.rikunabi.com/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=001208 ↩︎