結構待望にしていた、ジョン・ソンメズ氏のSoftSkillsの続編、CareerSkillsソフトウェア開発者の完全キャリアガイドが発売されたので、さっそく購入して読んでみた。
感想
5つのパートに分かれていて、ソフトウェア開発者のキャリアの段階ごとにオススメの章が分かれている。初心者、中級者、上級者。ちなみに、私は中級ですので、後半の章に書いてあるものが役に立った。
この本は、分厚い。600ページ以上。ですので、自分に必要な部分を取捨選択して読んでいくのがよい。幸い、大事な部分は太字になっているので、目立つ。
アメリカのソフトウェア開発者向けですので、途中、日本人にとってはいらない部分もある。とはいえ、読後感はSoftSkillsと同等、それ以上。私のソフトウェア開発者のキャリアの方向性を変えるものだっだ。
私がこの本の翻訳を待っていた理由は、私の現在の境遇にある。SoftSkillsを読んだときは会社員だったので、自分のキャリアは会社が決めるものだと思っていた。しかし、わけあって、現在はフリーランスのWebエンジニアになろうとしている。ですので、自分のキャリアについて会社任せではなくて、自分で責任を取っていかなければいけなかった。それはとても不安なことで、これからどう生きていけばいいのだろうか、と思い悩んでいた。
著書の中でソンメズ氏は、会社員は安定しない、とバッサリ言い放つ。そして、自分のキャリア戦略(戦略ということが好きなようだ)について、たくさんの誌面を書いて解説している。
社会的評価を築き、専門分野を作り、ブログを書くこと
私はこの言葉によって、自分がこれからどういうように振る舞い自己の立場を確立すればいいか、教え諭された気がした。
私のアクションリスト
この本を読んだあとに、実行しようと思った私のアクションリストを次に列挙する。
- SoftSkillsをあらためて読みなおす。
- どういうことで有名になりたいか、個人ブランドのスローガンを決める。
- 追求する専門分野を決める。
- RailsとReactエンジニアになるための具体的なキャリアプランを立てる。
- ブログの改築をしてSEOを意識したサイトにする。
- ブログライティングのスキルをあげるための書籍か教材を購入する。
- RailsでWebサービスを作りポートフォリオ作品とする。
- ミートアップかもくもく会に参加してみる。
- サイドプロジェクトを始め、継続する。
読書メモ
以下は、本文の中から私が心に響いたフレーズを抜き出したり要約したものである。
第一部 ソフトウェア開発者になる方法
ソフトウェア開発者になるための具体的なプランを立てることが必要。ソフトウェア開発者は、アスリートと同じような広い概念ですので、どのスポーツで勝負するかを選択しないといけない。
第2部 就職する方法
職歴がない状態で採用されるコツは、コーディングの実力があることを面接官に示すこと。具体的にはつぎのとおり。
- オンラインで存在感を示す(つまりブログを書く)。面接官はまず名前をグーグル検索するので。
- ポートフォリオを用意する。まずは、GitHubのプロフィールが魅力的なものにする。作品にはテストコードを含める 就職先を見つける準備として、まず見栄えのよい履歴書を書く。
人脈を築く。具体的には、ミートアップやもくもく会に顔を出す。手土産でLTをすると歓迎される。
第3部 ソフトウェア開発の必須知識
ソフトウェア開発に関わる知識が網羅的に扱われる。
第4部 ソフトウェア開発者の仕事
本物のワークライフバランスを達成することとは、ワークとライフの境界をあいまいにして、すべてが生活となるようにすることだ。落合陽一さんのWork as Lifeと同じ。
第5部 キャリアの伸ばし方
社会的評価を築くこと。スキルがあっても評価がなければ意味がない。
個人ブランドを作る。どういうことで有名になりたいかを決める。専門分野を利用して自分を売り込む。追求する専門分野を決める。
スキルの鮮度を保つ。ブログを読む、本を読む。現実的な目的を持って学ぶ、焦点を定める。サイドプロジェクトを持ちコードをたくさん書く。今までコードをあまり書いてこなかったのはチャンスがなかったからではない、自分でチャンスを作らなっ方。
ブログを書く。参入障壁が少ないのに、極めて効果的。ほかの人が理解できる形で自分の考えをまとめるスキルが身につく。コミュニケーションスキルの向上。 自分はコミュ障で話し下手ですので、ブログで鍛えるか?
フリーランスで仕事を得るのはたいへん。安定して稼ぐ方法は、クライアントが自分の方にやってきてくるようにする。そのためには、社会的評価を築き、専門分野を作り、ブログを書くこと。専門分野を作ってブログを書くことを始めたい。ブログはもっているのだけれども、自分のダメダメなライティング力と、まったくSEOを考慮しないサイト構成をなんとかしたい。
どこかの会社に就職すれば、引退したり年金をもらったりするまでの20年、30年、そこにとどまることができる時代は終わった。職の安定や保証が不要なくらいに自分を高めてみてはどうか?今日では、職の保証や安定は幻に過ぎない。
サイドプロジェクトをいつも手がけることで、ソフトウェア開発者としてのキャリアを伸ばす。案が思いつかなければ、すでに存在するもののクローンを作るのがよい。
終わりに
私のSoftSkillsの書評のリンクも張っておきます。