ブロックチェーンに興味が沸いたので、ブロックチェーンの本を読みました。

ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか
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感想

ブロックチェーンに知りたいと思い、まずは技術的なことではなくてビジネス的になにが可能かどうかを知りたくて手に取った一冊。 広範囲にわたって、ブロックチェーンが社会をどう変えるのかがよく書かれていた。知りたいことは大体知ることができた。

ロスチャイルド家から通貨発行権を奪え

たくさんの分野に展開可能だが、やはり一番の注目は、金融への応用だ。とくに、仮想通貨。 これの何がすごいかというと、通貨発行権をロスチャイルド家から奪うことができるのだ。 世界の格差は、この通貨発行権が元になっていると思う。

あまり知られていない事実だが、各国の中央銀行は、すべてロスチャイルド家が支配している。 アメリカのFRBは国家機関ではなく、ロスチャイルド家のもの。 日本銀行の株の40%はロスチャイルド家が握っているという説もある。 ロスチャイルドに支配されていない国は、10ヶ国くらい。ロシアや中国、北朝鮮など。 経済を支配できれば、そこから派生して国家も支配することができる。結局、国家はお金がないとなにもできないので。 ロスチャイルド家が、世界を裏で支配しているのだ。

しかし、そこで仮想通貨である。仮想通貨は、第三者を介することがなく、金銭のやりとりができるもの。 つまり、権力者の影響を受けることがない。ロスチャイルド家も手出しはできない。 銀行というもののあり方が変わる。そして、既存の銀行システムを支配していた論理も通用しなくなる。 わたしは、仮想通貨によって、通貨発行権が民衆の手にもどり、世界の格差もなくなることを、期待している。

民主主義を加速する

次に、影響が大きそうだとおもったのは、法や国家のあり方を変える可能性だ。つまり、民主主義への影響。

もし、スマホから投票が可能になれば、選挙の投票率は確実に上がるだろう。 そして、選挙の投票における不正行為もできなくなる。 現在、日本の自動開票システムは、ムサシという無名メーカーの会社の独占状態だ。 そして、このムサシに資金提供をしているのが、ロスチャイルド家。怪しすぎるだろ・・・。 しかし、そんな不正選挙もブロックチェーンで駆逐できる。

国民一人一人のデータもブロックチェーンで管理することもできる。 これは、人々のプライバシーの問題なので、繊細な問題だが、ある程度は管理が必要だと思う。それが業務効率化につながるのならば。

国家というものはなんだと考えてしまう。 法律があり、通貨発行権があり、司法があり、それを執行するための機関。 これらが、ブロックチェーンで効率化されれば、もしかしたら、独立したコミュニティが国家になり得るかも知れない。 すでに、IT先進国のエストニアでは、そういう実験も行われているらしい。

AIは権力者の道具だが、ブロックチェーンは民衆の武器

本書では、他にも様々な分野への可能性がかかれているが、私が特に印象深かったのは、経済と民主主義への影響だ。 ブロックチェーンを世界史とあわせて考えていくと、これは社会のシステムを覆すものなので、とても興味深い。 とくに、既得権益を覆す可能性に惹かれている。

2017年ごろから、世間の話題はAIとブロックチェーンだった。わたしの考えでは、AIは人類を幸せにしない。 AIは権力者の道具になる。今まで、権力者が人をつかってやっていたことを機械に置き換えるだけなので、 その利益は権力者に集中して、民衆には還元されない。人々は職をAIに取って代わられ、ますます社会の格差は広まる気がする。 一方、ブロックチェーンは、権力者に依存しない信頼の取引と合意形成を可能にする。それは、権威からの脱却を意味する。

世界平和を実現する技術、ブロックチェーン

なぜ、世界はいつまでも平和にならないのか? それは、ごくごく一部の富裕層が自分の都合がいいように世界を支配しているから、平等を阻んでいるからだ。 先進国では、娯楽で人々の政治への思考力を停止させ、発展途上国では徹底的な搾取によって格差を生み出す。

この、加速的な格差の広がりと富裕層の世界支配に革命を起こす技術、それがブロックチェーンだと思う。

読書メモ

暗号通貨が従来の通貨と違うところは、発行にも管理にも国が関与しないという点だ。 信頼された第三者を介することなく、端末間でやりとりされるデータに嘘がないことを保証する。

これはすごいことだと思う。 世界の金融はロスチャイルド家が支配しているが、その影響が及ばないということだ。

テクノロジーの集中を前提とする経済のあり方を覆し、コンピューター工学と数学、暗号学、行動経済学を組み合わせて、 まったく新たなデジタルエコノミーのビジョンを描き出した。

中央集権から分散型への転換は、よいことだ。権力が集中すると、それを悪用することも可能だからだ。

伝統敵な会計手法は、現代の新たなビジネスモデルに対応しきれない。 会計監査にはとても時間がかかるものでそれに応じた料金をもらっているが、 これがブロックチェーンであっという間に処理されるようになったら、 今までどおりというわけにはいきません。

わたしは、会計士の勉強をしている友達がけっこういるのだが、彼らはどうなってしまうのだろうか?

ポスターや看板を掲げて街を練り歩いてもしょうがないでしょう。 それより、壊れた経済と社会を変えるための新たなソリューションをみんなでつくったほうがいい。

イーサリアム共同創業者のジョセフ・ルーピン氏の発言。市民運動よりブロックチェーン。

ブロックチェーンは信頼のプロトコル

はたして、ユーザ視点で強固なプライバシーは必要かな? 現時点でも、結構信頼しているので、これ以上は必要ないと個人的には思うのだが。 それを実現するのが容易ならばブロックチェーンでもいいが、大変なのならば今ではないな。