シェルのなかで、至高の利便性を誇ると言われているzshを試してみました。きっかけは、この本を読んだので。作業メモを兼ねて、簡単に使い方を書きます。

https://www.amazon.co.jp/zsh%E6%9C%80%E5%BC%B7%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%AB%E5%85%A5%E9%96%80-%E4%B8%AD%E5%B3%B6-%E8%83%BD%E5%92%8C/dp/479811815X%3FSubscriptionId%3DAKIAJBCXQ4WQGJ7WU3WA%26tag%3Dsleephacker-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D479811815X

zshとは

zshとは、シェルの種類のひとつ。Bashやtcshなどの、全てのシェルのいいとこどりをして開発された至高のシェル。“z"というのは、これで” これでシェルは完成で終わりだよ" という意味。

Z Shell - Wikipedia

zsh導入まで

zshインストール方法

Cygwinパッケージに含まれているので、setup.exeかapt-cygで取得します。

$ apt-cyg install zsh
$ zsh --version
zsh 5.0.2 (i686-pc-cygwin)

zshと打ち込むとzshになります。入力のためのコンソールが%になりました。

# zshに切り替える
zsh

zshをログインシェルにする

ログインしたときに、zshが起動するように設定します。

# ログインシェルの確認
% echo $SHELL
/bin/bash

普通はchshを利用するけれども、Cygwinではそれがない!なので、/etc/passwdを直接書き換えます。

% emacs /etc/passwd

# 変更前
tsu-nera:unused:1000:513:U-TSUNEMICHI-VAIO\TSUNEMICHI,S-1-5-21-2209003112-325970183-628590984-1000:/home/TSUNEMICHI:/bin/bash

# 変更後
tsu-nera:unused:1000:513:U-TSUNEMICHI-VAIO\TSUNEMICHI,S-1-5-21-2209003112-325970183-628590984-1000:/home/TSUNEMICHI:/usr/bin/zsh

すると、CygwinやCygtermはみごとzshで起動。しかし、母艦terminalのminttyだけがbashのまま・・・・(´・ω・`)。

いろいろと頑張ること1時間・・・ついにわかった!(・∀・)

ユーザ環境変数で、$SHELLがbashだった。

コントロールパネル - > システム -> システムの詳細設定 -> 環境変数からユーザ環境変数の設定画面へ。/bin/bashをを/usr/bin/zshに変更することで、minttyもzshで起動するようになった(^O^)

.zshrcの作成

.zshrcを作成すると、ログイン時に読み込まれる。$HOMEディレクトリにまずは作成。

touch .zshrc

.zshrcに書く内容は、いろんなサイトを参考に作ってみた。

自分の.zshrcファイルを公開 - 世界中の羊をかき集めて

あと、zsh最強シェル入門の本も参考にした。以下、便利そうなのをつまんで紹介。

screenで端末間のヒストリ機能の共有

zshは強力なヒストリ機能が魅力。特に、screenコマンドを使っていると、端末で実行したコマンドを全て共有したい場合がある。zshならば、端末ごとの共有だってできてしまう。以下2つの設定で有効になる。

## Screenでのコマンド共有用
## シェルを横断して.zshhistoryに記録
setopt inc_append_history
## ヒストリを共有
setopt share_history

他にも、重複排除などの機能もたくさん。

カレントディレクトリの表示

zshを利用すると、コンソール上にカレントディレクトリも表示することができる。もうpwdなんていらないのである。設定は以下。

SnapCrab_NoName_2013-5-24_17-47-24_No-00

# 色有効
autoload -U colors
colors

# 色を定義
local GREEN=$'%{\e[1;32m%}'
local BLUE=$'%{\e[1;34m%}'
local DEFAULT=$'%{\e[1;m%}'

# 通常のプロンプト
PROMPT=$BLUE'[%n]%# '$WHITE
# 右側のプロンプト。ここでカレントディレクトリを出す。
RPROMPT=$GREEN'[%~]'$WHITE
setopt transient_rprompt

グローバルエイリアスの設定

グローバルエイリアスを設定することで、コマンドの任意の場所で展開できるようになる。zshだけの機能。

例えば、ls -l L と入力すると、ls -l | less というように変換される。

alias -g L='| less'
alias -g H='| head'
alias -g T='| tail'
alias -g G='| grep'
alias -g GI='| grep -i'

Cygwinでwindowsパス形式のWaringを抑止する

zshでの操作の途中でこんなエラーが出る。

MS-DOS style path detected: ./.zshrc\~
  Preferred POSIX equivalent is: ./.zshrc/~
  CYGWIN environment variable option "nodosfilewarning" turns off this warning.
  Consult the user's guide for more details about POSIX paths:
    https://cygwin.com/cygwin-ug-net/using.html#using-pathnames

これは、CygwinがWindowsパス形式をWaringとするため。コントロールパネル - > システム -> システムの詳細設定 -> 環境変数からシステム環境変数の設定画面へ。

CYGWIN=nodosfilewarningというように、環境変数追加するとよい。

SnapCrab_環境変数_2013-5-22_8-21-18_No-00

gnupack Users Guide - 技術情報

他にも便利そうな機能はたくさんあるけれども、とりあえずはこのへんでやめておく。